【初心者・大学生必見!】ノートパソコンのCPU選びで後悔しないためのポイント
- どんなCPUを選べば、自分にぴったりのノートパソコンが手に入るんだろう?
- 自分の用途に合ったCPUの性能と予算のバランス、どうやって取り扱えばいいのかな?
- 今後のニーズも考慮して、長く使えるノートパソコンのCPUを選びたいけど、どうすればいい?
パソコンの性能はCPUとメモリが左右します。性能のよいCPUを選択するかで使いやすいパソコンを購入できるか決まります。しかし、どのようなポイントを押さえてCPUを選べばいいのか分からない人も多いはずです。
この記事では、ノートパソコンのCPU選びで失敗しないためのポイントをわかりやすく解説します。
パソコンの購入は安く購入するだけではいけません。CPUを選ぶポイントを押さえて目的に合わせたパソコンを購入することが重要です。
ノートパソコンのCPUの選び方
ノートパソコンは仕事や勉強や課題作成、研究などのために欠かせないツールです。しかし、パソコン選びに悩む人も多いでしょう。特に、CPUはパソコンの性能を左右する重要な部品です。
自分の用途を明確にする
まず、自分が主にどのような用途でパソコンを使うのかを明確にしましょう。例えば、文書作成やインターネット閲覧が主な用途であれば、エントリーレベルのCPUでも十分な性能があります。
一方、画像編集やプログラミング、軽いゲームなどが主な用途であれば、ミドルレンジのCPUが適切です。
エントリーレベルのCPU
エントリーレベルのCPUは、低価格で省エネ性能が高いのが特徴です。IntelのCore i3シリーズやAMDのRyzen 3シリーズが該当します。
文書作成やウェブサーフィンなどの基本的な作業には十分対応できますが、高度な処理能力は期待できません。
ミドルレンジのCPU
ミドルレンジのCPUは、高い処理能力と省エネ性能を兼ね備えています。IntelのCore i5シリーズやAMDのRyzen 5シリーズが該当します。
画像編集やプログラミング、軽いゲームなど、多少の負荷がかかる作業にも対応できる性能を持っています。
ハイエンドのCPUは必要か?
ハイエンドのCPU(例:Intel Core i7やAMD Ryzen 7)は必要かどうかを検討しましょう。これらのCPUは高性能ですが、価格も高くなります。
消費電力も高いため、バッテリーの持ちが悪くなることも考慮する必要があります。特別な用途(例:3Dモデリング、動画編集、高負荷なゲーム)がなければ、ハイエンドのCPUは必要ないかもしれません。ミドルレンジのCPUで十分な性能を発揮できることが多いです。
適切なCPUを選んだ方が良い理由
高い能力が仮に100として、自分の使う目的が60であれば、40は使わない能力になります
高い能力のCPUは、大量の難しいデータを処理できます。高い能力を使わなければ、高いCPUにお金を払うのはもったいないです。
予算を考慮する
予算は重要なポイントです。自分の用途に合ったCPUを選ぶ際には、予算を考慮してバランスの良い選択をしましょう。
コスパがよいパソコンの購入は、目的にあった能力のCPUが搭載されたパソコンを選ぶことです。
将来的なニーズも考慮
パソコンの用途が変わることもあります。パソコンを使い慣れてくると、パソコンでできることに興味が広がります。プログラミングや画像編集が必要になることもあります。
将来的なニーズを考慮し、ある程度の拡張性やアップグレードの余地を持ったCPUを選ぶことが賢明です。
買い替えないために、余裕を持ったCPUを選ぶ
まず自分の用途を明確にし、予算や将来的なニーズも考慮しましょう。アプリケーションの進化は、必要なCPUのレベルも上がります。
ここがポイント
アプリケーションが進化し、対応できるなくるとパソコンを買い替える必要が出てきます。数年のアプリケーションの進化に対応できるよう、少し余裕を持ってCPUのレベルを見ておいた方が良いです。
これらのポイントを押さえて、快適なパソコン環境を手に入れることができます。
CPUの基礎知識
CPUはパソコンの“頭脳”
CPU(Central Processing Unit)は、日本語で「中央演算処理装置」と呼ばれ、コンピューターの中核を担う重要な部品です。
コンピューターの脳とも言われるのは、CPUがデータの処理や命令の実行を行い、コンピューター全体の動作をコントロールしているからです。
すべてのプログラムやアプリケーションは、CPUによって実行され、CPUの性能がコンピューターの処理速度や応答速度に直接影響を与えます。
CPUの能力が高ければ高いほど、大量のデータを高速で処理できます。
CPUの主要な仕組みと働き
CPUはパソコン“頭脳”。CPUはパソコンの中でチームリーダーのような働きをしています。CPUがプログラムと素材のデータを読み込み、コアに作業内容を指示し、データ作成は出来上がります。
命令の取得
CPUは、メモリから命令を取り出し、次にどのような処理を行うかを決定します。
命令の解読
取得した命令を解読し、実行するために必要な操作を特定します。
命令の処理
解読された命令に従って、実際にデータ処理を行います。これには、算術演算や論理演算、メモリアクセスなど様々な操作が含まれます。
CPUの主要な仕組みと働きのイメージ図
チームリーダーであるCPUは取説であるプログラムを理解し、素材であるデータをコアたちにどう処理するか命令するというイメージです。チームリーダーであるCPUが取説を理解できないとデータが処理できないことになります。
データの処理速度は、チームリーダであるCPUの能力によって変わります。
この一連の流れを繰り返し行うことで、CPUはコンピューター全体を制御し、我々が普段利用しているさまざまなアプリケーションやサービスを動かしています。
CPUの歴史と進化
CPUの選び方について、初期から現代までの歴史を解説します。
CPUは非常にシンプルで処理能力が低かった
インテルがx86アーキテクチャを導入し、CPUの基本設計が確立され、コンピューターの性能向上。
パーソナルコンピューターが一般家庭に普及し始めました。
CPUのクロック周波数が向上し、処理能力が飛躍的に向上。
AMDが登場し、インテルとの競争が激化し、現代の高性能なCPUへの道筋が作られました。
CPUのマルチコア化により、性能向上が実現され、省電力化や高速化が求められるようになりました。
スマホなどのモバイルデバイスやクラウド上での処理が増加。
技術革新によって進化し、現代のCPUは高性能。
CPUの製造メーカー
一般に国内で流通しているパソコンに搭載されているCPUの製造メーカーは、Inetel、AMD、Apple です。CPUの番号は、シリーズ、型、世代、番号などを表し、能力を表しています。
Inetel(インテル)
インテルは、世界最大のCPUメーカーであり、1970年代からパーソナルコンピューター市場を牽引してきました。
インテルの強みは、x86アーキテクチャをベースとした高性能なCPUを開発の持続。独自の製造技術によって、高い品質と信頼性を維持しています。
インテルは、デスクトップ、ノートパソコン、サーバーなど幅広い分野で採用されています。
Inetelは、ネットワークやデータセンター、AI、パソコン用のCPUを製造。演算処理の速さに定評があります。
パソコンに搭載されているInetelのCPUシリーズは、Core i、Pentium、Celeron、Atomがあります。
AMD(エーエムディー)
AMDは、インテルと競合するCPUメーカーであり、高性能なCPUを提供しています。AMDの強みは、コストパフォーマンスの高さと、革新的な技術の開発です。
例えば、マルチコア化やチップレット技術など、多くの技術革新がAMDから生まれています。AMDは、デスクトップ、ノートパソコン、サーバーなどで、インテルと市場シェアを争っています。
AMDもIntelも性能は、ほとんど差がありませんが、コスパがよいです。ノートパソコンのCPUは、GPU(3Dグラフィックスを表現するのに必要なチップ)内蔵※1のものがあります。AMDの内蔵GPUは性能が高いのが特徴。
Apple
iPhoneやiPod touch用のシリーズは、A、S、T、 W、H、 Uがあり、の初期バージョンから使用され、パソコン用にはMシリーズがあります。
種類は、M1、M1 Pro、M1 MAXで、CPUやGPUを統合したシステム・オン・チップです。
ARM
ARMは、イギリスのCPU設計企業で、高い省エネ性能を持つCPUアーキテクチャを開発しています。ARMの強みは、ライセンスモデルによるビジネス戦略で、多くの企業がARMの設計をベースに独自のCPUを開発。
ARMアーキテクチャは、スマートフォンやタブレット、IoTデバイスなど、モバイル分野で圧倒的なシェアを誇っています。
CPUメーカー間の競争は非常に激しく、新たな技術の開発や革新的な製品が次々と生まれています。
インテルとAMDは、パフォーマンスやコスト競争でしのぎを削り、ARMはエネルギー効率を追求しています。これらの競争が、CPUの進化や市場の発展を促進しています。
CPUの種類
CPUのタイプ
一般的に、CPUはデスクトップ用、ノートパソコン用、サーバー用、モバイルデバイス用など、用途によってタイプが分かれています。それぞれのタイプは、消費電力、性能、サイズなどが異なります。
ノートパソコン用のCPUは、低消費電力でコンパクトな設計が求められます。
単体と統合型
CPUには、CPU単体のものとGPU(グラフィックカード)内蔵のものがあります。
GPU内蔵のCPUのノートパソコンは、CPU+GPUと単品同士の組み合わせのノートパソコンより、価格や消費電力を抑えます。消費電力を抑えることは、パソコンの寿命を延ばすのに貢献します。
※1 CPUの中にGPUが内蔵されている場合、以下のようなスペックの書き方です。
型番でわかるCPUの性能の見方
CPUの型番は、メーカー、シリーズ、世代、モデルナンバー、サフィックスなどで構成されています。CPUの製品名は“型番”と呼ばれ、性能を比較できます。
CPUの型番の見方
IntelとAMDの型番も同じような番号の付け方です。
見方の例
例:Intel Core i7-8700K
メーカー:Intel
シリーズ:Core
グレード:i7(i3, i5, i7, i9など、数字が大きいほど高性能)
世代:8(第8世代、数字が大きいほど新しい世代)
モデルナンバー:700(モデルナンバーが大きいほど高性能)
種類 サフィックス:K(オーバークロック可能)
Intelの型番の見方
AMDの型番の見方
CPUの比較は、シリーズがポイント
CPUのシリーズの見方
IntelとAMDのCPUの種類の能力をシリーズで分類した一覧表。シリーズは、↓の丸で囲ってある部分です。
CPUのシリーズ比較表
シリーズごとに性能が違い、パソコンメーカーでは、シリーズの種類をもとにパソコンのカテゴライズをしています。主に、4つのカテゴライズをし、ブランドやグループで分けています。
- エントリー‥初心者向け
- スタンダード‥ビジネスや大学生が使うモデル
- ハイエンド‥本格的に作業をするビジネスや大学生が使うモデル
- クリエイターズ‥ビジュアル・グラフィックなど映像を扱うプロ、3Dゲーム用モデル
CPUの比較表はCPU単体の能力を表しています。メモリやストレージの組み合わせ、GPUの種類や有無で、処理する作業量や速度が変わります。
モデル | Intel | AMD | 主な使い方 |
エントリー | Atom Celeron | Athlo | 事務系アプリ、ネット閲覧 |
エントリー | Pentium | A-Series | 事務系アプリ、ネット閲覧、 動画視聴 |
スタンダード | Core i 3 | Ryzen 3 | 事務系アプリ(データの多い作業が可能) ネット閲覧、動画視聴 |
スタンダード | Core i 5 | Ryzen 5 | 事務系アプリ(データの多い作業が可能)、 システム・グラフィック系アプリ(データの少ないものが可能)、 データの軽いゲームが可能、ネット閲覧、動画視聴 |
ハイエンド | Core i 7 | Ryzen 7 | システム・グラフィック系アプリ(データの多いものが可能)、 ゲームが可能、動画編集、動画配信 クリエイターズ ネット閲覧、動画視聴 |
クリエイターズ | Core i 9 | Ryzen 9 | システム・グラフィック系アプリ(データの多いものが可能)、 3Dゲームが可能、動画編集、動画配信 |
ハイエンド デスクトップ向け | Core X | 写真や動画の編集、視覚効果、モーション・グラフィックス、3D アニメーション、 ハイエンド・ゲームのクリエイター・ワークフロー | |
ワークステーション | Core Xeon | プロのクリエイター用VFX、3D レンダリング、複雑な 3D CAD、AI 開発やエッジ・デプロイメント |
CPUの世代とは、システムアーキテクチャに分けられた分類
CPUの世代の見方
CPUの性能は“世代”によっても違います。“世代”は、システムアーキテクチャ(システム設計)によって、区別されています。“世代“は、最初の設計からカウントし、いくつ目かを表しています。システムアーキテクチャによって設計され、発売があとのものの方が性能は良くなります。
CPUを選ぶ時の注意
CPUの性能は、発売ごとに良くなっていきます。シリーズが低い後発のCPUが先発の高いシリーズのCPUの性能を上回ることがあります。
チェックポイント
低いシリーズの後発のCPUが高いシリーズの先発のCPUの性能を上回ることがあります。Intel Core i5-9500 のベンチマーク9736、Intel Core i7-4790 は、ベンチマーク7233です。Core i5-9500の発売日は2019年8月2日、Intel Core i7-4790の発売日は2014年5月11日。
Intel Core i5の方がIntel Core i7より、ベンチマークが高いです。処理能力がIntel Core i5の方が、高くなります。
9000番台と4000番台では、この間に4世代が入っています。
Intelの世代の選び方
第12世代が最新となり、購入対象は最低でも第10世代以降がよいです。
Windows11に対応しているのは、第8世代以降です。Windows10のサポート期限は、2025年10月14日までです。サポート期限を過ぎると、セキュリティの保護が受けられません。
AMDの世代の選び方
世代の見方は1XXXは第1世代、2XXXは 第2世代、3XXXと4XXXが 第3世代、5XXXは第4世代になります。※XXXXは数字
種類は、Intelと同じように、低消費電力、グラフィックスの性能“GPU”の有無、スタンダードなど、特徴を示しています。
CPUの種類とは、アルファベットで性能を表示
Intelの種類の見方
Intelの種類は、“Product Line Suffix” (プロダクト・ライン・サフィックス)と呼ばれる末尾のアルファベットで表されます。サフィックスは、特定の機能や性能を示しています。
サフィックス | 意味 |
G1-G7 | グラフィックス・レベル (新しい統合グラフィックス・テクノロジーを搭載したプロセッサーのみ) |
E | 埋め込み |
F | ディスクリート・グラフィックスが必要 |
G | パッケージにディスクリート・グラフィックスを含む |
H | モバイル向けに最適化された高性能 |
HK | モバイル向けに最適化されたハイパフォーマンス、アンロック対応 |
HQ | モバイル、クアッドコアに最適化された高性能 |
K | ロック 解除 |
S | スペシャルエディション |
T | パワーを最適化したライフスタイル |
U | モバイル電力効率 |
Y | モバイル超低消費電力 |
X/XE | アンロック対応、ハイエンド |
B | ボールグリッドアレイ (BGA) |
P | 薄型軽量のフォームファクターにエンスージアスト・レベルの性能 |
AMDの種類の見方
アルファベットが示すのは、低消費電力、グラフィックスの性能“GPU”の有無、スタンダードなど、特徴を示しています。
CPUの性能の確認方法
CPUの性能が知るには、シリーズ、世代、種類と発売で、能力が前後します。発売時期で世代がシリーズを超えるものもあり、複雑です。
CPUの能力を総合的に判断でき、簡単に知る方法があります。
コンピュータシステムのハードウェアやソフトウェアの性能を測定するための指標“ベンチマーク”を“PassMark”で調べることができます。
PassMarkはこちらのサイトです。
検索ボックスに型番を検索することで、ベンチマークを調べることができます。
但し、PassMarkのベンチマークは多少ずれ(プログラムやアプリに起因する)があり、大体このくらいといった感じで把握します。
能力別可能操作
CPUのベンチマークがわかると、どういう作業ができるのかわかります。
PassMarkのトップにパフォーマンス(能力)毎に区切った表があります。
PassMarkのCPUの分類が、ハイエンドは6344~40292とありましたが、非常に幅広いのでこれを2つに分割して表してみました。
ベンチマークはCPU単体を図ったものです。パソコンはCPU、メモリ、ストレージ、GPUといった他のパーツ間とのやりとりをして動きます。
パーツの組み合わせ次第で発揮できる能力が変わります。ベンチマークは目安として参照します。
- 13000~…ゲーミングパソコンの初心者から動画編集でレンダリングなどデータの重い作業などができる。
- 6000~13000…事務系アプリで重いデータを処理、動画編集
- 2000~6000…動画視聴、オフィス系アプリケーションで作業可能
2000以下は、ネット閲覧のレベルです。アピリケーションを使って作業をするには、向いていません。
CPUは将来的なニーズを考慮して選ぼう
CPUを選ぶポイントは以下です。
- 用途に応じたCPU選び
- エントリーレベルからハイエンドまでの特徴を知る
- 予算と性能のバランス
- 将来的なニーズの考慮
これらのポイントを押さえることで、理想的なノートパソコンのCPU選びが可能になります。ぜひ参考にして、快適なパソコン環境を手に入れましょう。
CPUとともに、アプリケーションのビジュアルの表現に大きく影響するのが、GPU。CPUの性能が良くても、GPUが悪ければデータの処理が追い付かず、画面が真っ黒になりビジュアルを表現できない、アプリケーションがバグる(止まる)といった不具合がでます。
パソコンの他のスペックについては“パソコンの選び方”↓の記事でまとめています。